【FC鹿児島】前回の続きです。

蹴導

2013年05月27日 14:45

おつかれさまです。

前回の件の続きの文となります。
試合がどれだけ面白かったかを綴りたいです。
が、読んで一呼吸置いて考えてほしい方がいるのでこれを綴ります。

批判だ、暴露してんじゃねぇ、今を頑張っている皆の邪魔をすんな、
選手を傷つけるだけだ、クラブに謝罪しろ、納得できないなら立ち去れ、
って言われる方もいらっしゃるでしょうし、
実際その声もいただきました(言われて仕方がないです。)。が、

私は1つの救いを見い出したい。


昨夜の時点で、今回の契約解除の文面において、

・退団理由を隠すことなくしっかりしたコメント選手
・それを隠すことなく発表したフロント
・評価が傷つくことを恐れず発表を容認した監督

全て評価できるじゃないか、と言う声をいただきました。

サッカークラブにおいて入団移籍退団は、日常茶飯事です。
自身、何度も(ステップアップやポジションが)あるなら行けって綴っていますし。
覚悟も綴っています。
例えると、バンドの世界と一緒で「良いものを作ろうと思ったら」、
感性が違って、意見が食い違って、ぶつかり合って、作ってみて、
更に求めて喧嘩別れ、とか、普通にあると思っていますし、
お互いが納得してそれを選んだなら仕方ないのは分かっているつもりです。

ちゃんと発表したことは評価できるのでしょう。

ただ私の中では契約解除の発表そのもののことじゃなくて…、
FC鹿児島に求めてしまう「+1」の部分。
・サポーターへの一言がほしい、と。

そこが無いのが悲しいと。

ええ、我侭です。身の程知らずに侍気取りなのかもしれません。

でも、このクラブに魅せられた私の意見としては、
このクラブの最大の長所は、スペクタルさや圧倒的な強さ、

ではなく、「サポーターに対する姿勢」なのです。


私はブロガーとして、フロントや選手に殆ど話を聞きに行くことはしません。

大事な時間の邪魔をしたくないですし、右向け右の軍人にも、
クラブの良い面だけを大袈裟にピックアップするスポークスマンにも、
他の方が気になった面を押さえ込む蓋にもならず、
自分を誤魔化さず正直に見たものを感じたままに語りたいからです。

その上で、このクラブは良いクラブだ、面白いぞと語りたいのです。

今日も試合後の田上選手や辻選手の、
皆や子供への挨拶やじゃれ合いに癒された部分があります。

ですが、直に聞けという言葉を受けて、
どうしても言葉を聞きたかった2名の人物に、試合後暫くして直に問いてきました。


一人目は選手の方です。

自身の肌で感じるために、ある程度の衝突を覚悟して聞きに行きました。

おつかれさまと語った後、
「こういう話をするのはなんだけど、いい?
ずっと応援すると言ったけど、今日私は応援の声を出せませんでした。」
と語りだしました。

何を言いたいのか分からないと言われたので、
「選手たちにとっては過ぎ去っていることなのは重々承知ですが、
公式サイトの契約解除の文面についてどう思っているのか知りたい、
私は悲しい気持ちが強かったので、今日は応援できなかった。
文面が納得できなかった。」と語りました。

結構怒られました。

「何故、私に聞くのですか?」「いきなりそんな剣幕で言われても困る」
「今の選手たちには関係が無いじゃないですか」と。
そして、
「私は一人の選手でしかありません。そういう話はフロントに直に聞いてください。」
と言われました。

組織人としては模範的な回答だと思います。
でも、この選手は一介の選手ではないのです。
クラブカラーを体現してきた選手であり、
彼の姿勢や言動に魅せられた方が沢山いるからです。

今の彼はどうか、昔の彼ならどうするか、考えながら話を聞きました。
「この後でフロントが何か語ることもあるかも知れないじゃないですか。」
「判断を決め付けないでください。」
再度「直に聞いてください」と言って促した後、
彼は今まで見て来た中でもっとも悲しそうな表情をしてみせました。

悲しい顔をさせてごめんなさい。でも私はあなたに聞く必要があった。
そしてこの悲しい顔は言い方が悪いですが「救い」なのかもしれませんが、
ただ、「安心しろ、○○○は今も昔の○○○だ」とは、私は呟けないかもしれません。

再度繰り返しておきますが、この選手の対応は、
組織人として間違いのない正しいものだと思います。


次にフロントの方です。

忙しい方なので、「少しお時間をいただいても良いですか?」と切り出した後に、
単刀直入に聞きました。
「契約解除の文面、解除の発表と理由、選手の言葉、選手へのありがとうで終わる、
ですけど、サポーターへの一言が無かったのは何故ですか?」と。

「あの文面自体がサポーターへの言葉なのだけど、
具体的にどんな言葉がほしかったの?」と言われました。
少し躊躇しました。私が願った言葉の一つは、会社は言い辛い一言だからです。
ですが答えました。(以降、私:私の言葉、フロント:フロントの言葉)

私「選手たちはサポーターへの、ありがとうとすいません、がありました。
不在を知られ、掲示板で罵られ、他クラブから先に情報が出て、
発表がその後になったので、クラブの対応にも問題があったと思います。
愛する選手から愛するクラブへの言葉を聞いて、
サポーターがクラブに対して色々考えたと思います。
救いと言いますか希望と言いますか、違った言い方も色々あるでしょうが、
サポーターへの、お騒がせしてすいません、のような一言は付け加えられなかったのですか?」

フロント「うーん、ないね。
それと掲示板で書かれていることは真実でないことばかりだよ。」
私「はい、真実でないことは分かっているつもりです。」
フロント「僕らは時間をかけてあの文で良いのか話し合って了承を得て、
準備ができて、尊重しあったうえで、今、やっとであの文を出せた。」
私「あの文面だけだとサポーターは悲しくならないですか?」
フロント「うーん」
‐中断‐(長めのスタッフへの対応があった。)

‐中断終わって‐
私「例えば、フロントさんの好きなバンドがあったとして、
いきなりメンバーが不在で、それを陰で色々言われて、
他の場所から他のバンドに参加しているのが知れ渡って、
その後にあのメンバーはこういう言葉を残したとリーダーがファンに伝えた。
メンバーはファンに謝りと感謝の言葉を残している。リーダーからは無い。
フロントさんはどう思いますか?」
フロント「あれで良い、よくやった、と言ってくれる人もいるんだよ。」
私「驚いて戸惑っている方が安心できる、立ち直れる言葉は出せませんか?
もう一度頑張りなおす、のような。」
フロント「色んな人が悩んで苦しんで出したのだから、
もう少しこっちの気持ちを分かってほしい。(何故そこを考えない?)」
私「今を頑張っているのは分かりますが、悲しいですね。」

この後、それと、選手に聞いてもどうしようもないじゃないか、と語られる。
話題をこの方向へ変えるのは交渉でよくある場面だ。
私には選手に聞いた明確な理由があった。
しかし、このフロントの方の「姿勢」もまた肌で感じたい部分だったので、
何も返さずにその諭しを最後まで聞いた。終始丁寧な口調だった。

周囲がよりバタバタし出したため、「もうこれでいいかな?」と切り出される。

最後に私が悪い言い方をする。
「お時間ありがとうございました。ただ、
今回の話を聞いて私がどう動くのか、皆が納得できるか分かりません。」
「そこは個人の自由だよ」と返されて、2名の方との対話が終了した。
(※対話は語りの順番が違っている可能性もありますが、
ニュアンスはそのままだと感じています。)


まぁ、この文を挙げた時点で、自由といえども私を許す方はいないだろうし
フロントも選手たちも2度と私と会話をしてくれないと思う。
出禁もあるかもしれない。人として終わっていると言われるかもしれない。

でも、3年間、率先して「このクラブは凄い」と声出し応援をしてきた私には、
皆を乗せてきた「責任」が存在する。意識して筆を記す。

はたして、3年前の彼らは今と同じ姿勢をとっただろうか。
「自分達の気持ちを」「聞くならフロントに」ではなく、
まずはサポーターの不安を取り除く方向に、自らの声で動いたのではないか。

今の選手たちには関係がないので、気にせず応援してください。
と、言われてもリアルタイムの人々はそう簡単に切り替えられるものじゃない。

今日のパンフレットをじーっと見つめて
「○○お兄ちゃん、やっぱりもうのってないね」と、
寂しそうに呟いた男の子がいた。

大人でも子供でも驚いて戸惑っている方は必ずいる。
一抹のからっぽを感じている人は必ずいる。
かくいう私も、声を出さなかったではなく、声が出なかった部類に入る。
その方たちのために、時間を許すことはできないか、言葉を掛けることはできないか。
これを今に入れ込むことが、今に反することになるとは、私は思えない。
終わったふり、無かったふりをしての応援も正常な姿とは思えない。

確かなプロの姿勢として、
FC鹿児島は一部の方の強い支持を得たのかもしれない。
しかし同時に一部の方の思いを置き去りにした気がする。
その置き去りにされた人々こそ
「サポーターに対する姿勢」に感銘を受けた人々ではなかったのか。

この文は自身の感性に任せてこのブログで綴ろうと思った。
執筆の途中で、フロント側に送るだけでよいのではないかと迷った。
でもやはり私の公であるブログ(サポーター側)で綴るべきだと感じた。
驚いて戸惑っている層に考える時間を作りたい。

ただこれも記す。
この試合の間にも、これを書いた今現在にも、
クラブのために走り回っている方もいる。
サポーターのために頑張っている人もいる。

もう一度このメンバーで笑おうと私が言えるかは分からない。
まぁ言わしてもらえない、の報がずっと大きいのだけど、
だけど、言える方が多いクラブであってほしい。

一縷の希望を願って、託して、筆を記す。

オーバーです。

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